社会保険庁を廃止し、国税庁と機能を統合して「歳入庁」を創設します。社会保険庁の職員については厳しく審査して移管する者を決定します。
社会保険庁を「日本年金機構」(特殊法人)に移行させることによって年金記録問題がうやむやになる可能性があります。社会保険庁の体質をそのまま受け継いだ組織では問題は解決できません。「歳入庁」を創設することによって、(1)税と保険料を一体的に徴収し、未納・未加入をなくす(2)所得の把握を確実に行うために、税と社会保障制度共通の番号制度を導入する(3)国税庁のもつ所得情報やノウハウを活用して適正な徴収と記録管理を実現する――等の改革を進めます。これにより、年金保険料のムダづかい体質を一掃し、国民の信頼を確保します。
この政策自体は、「年金」分野の一項目として記載されているが、「年金」とは関係ないところに影響が波及する気がする。
平成18年9月15日に総務省から発表された推計結果では、適用漏れのおそれのある事業所数は、約63万から約70万社(本来適用すべき事業所総数の3割程度)。適用漏れのおそれのある被保険者は、267万人(本来適用すべき被保険者総数の7%程度)に及ぶと推定している。
総務省は、その理由を電子化された登記情報を社会保険庁が利用していないためと分析しているが、別に法務局に頼らなくても、会社の決算書を見れば社会保険に加入しているか否かは一目でわかる。
そして会社の決算書の内容を把握しているのは国税庁である。国税庁が歳入庁に衣替えすれば、わざわざ実地調査をしなくても、机上で、社会保険や労働保険の適用漏れの事業所は容易に把握できると思われる。
現実問題として、中小企業にとっては税金より、会社負担分の社会保険料の方がきついのでないか?
その徴収に国税庁(歳入庁)が乗り出したら・・・。
こうなると、実務的には大混乱で、「100万社起業」どころか、会社を解散・清算して、個人事業主(個人成り?)へと変更する会社が続出するかもしれない。